2013.05.16更新

身体表現性障害|自分の本心に向き合うこと 自分にあった環境を選ぶこと

当院を受診する身体表現性障害の患者さんは「感情的に孤立している」人がほとんどです。
本当は誰かに分かって欲しい気持ちがあるのに、「心配をかけたくない」「相手に迷惑と思われたくない」「どうせ分かってもらえない」などの理由で、自分の気持ちを抑えつけてしまうのです。
だから、人間関係がないという真の孤立ではなく、それなりの人間関係を持っているのに気持ちは表現していないという意味で「感情的に孤立している」のです。
こういう人は友人などから「何を考えているのか分からないところがあるね」「人当たりはいいけど壁があるね」などと言われることがしばしばあります。

本人の中で生じた感情、特に不満・不安・怒りなどのネガティブな感情は、抑えつけられても消えるわけではなく、それが体の症状になって出てくるわけです。
さらにそうやって出てきたからだの症状にばかり注目して、とらわれていきます。
気持ちを表現せずに、症状を訴えることで相手に理解してもらおうとして、ますます理解されなくなり、欲求不満が募ります。

こうして見てくると、身体表現性障害は一時的な病気というよりも、その人のコミュニケーションパターンとして持続している問題と考えたほうがいい場合が多いようです。
持続しているので、環境的なストレスが少ないときには大丈夫でも、ストレスがかかれば何度でも再発するわけです。当然、ストレス反応としての適応障害を起こしやすいとも言えます。

身体表現性障害が背景にあって、適応障害を起こした場合は、ストレス源から引き離すだけでは回復が遅いことがあります。
この時は、発症の直接の引き金になったストレスだけではなく、患者さんが抱えてきた家族間の問題を扱う必要があります。
ずっと言えなかった気持ちを家族に対して言葉で表現してもらいます。これがうまくいくと劇的に良くなることも稀ではありません。
その一方、家族と率直に話すことに抵抗する方も少なくなく、その場合治療がなかなか進まず苦労します。

身体表現性障害の治療、カウンセリングなら日本橋メンタルクリニック(東京都中央区)

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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