2013.07.11更新

強迫性障害、曝露反応妨害法の工夫②

強迫性障害の治療法の一つである曝露反応妨害法に関する工夫について、前回の続きです。

工夫4.スッキリ感や安心感を「直接」求めない
強迫観念によって引き起こされた不安やもやもやした気持ちを「即効的に」解消しようという誘惑から強迫行為をさせられてしまうという病気の構造をしっかり理解しましょう。スッキリ感を求めることは病気の罠です。スッキリしないまま次の行動に移りましょう。時間がたてばもやもやした気持ちや不安は必ず落ち着いてきます。

工夫5.病気と取引しない
例えば、確認強迫で「後でまとめて確認するから」と自分を「納得させて」、目先の強迫的確認を逃れるというテクニック(?)を使う人がいます。病気をよく理解できていれば、これがなぜいけないか分かりますね。これは形を変えた強迫行為ということです。しかも、本人がその自覚を持てず、頑張って強迫行為をしていないと思ってしまうのでたちが悪いのです。一生懸命、行動療法を頑張っているのに成果が感じられないという人はこの点を見直してみると新たな展開があるかもしれません。

工夫6.病気はしつこいので、病気よりもしつこくなる
強迫性障害という病気は本当にしつこい病気だと思います。乗り越えたと思っても、繰り返し病気の罠に落ちてしまうようなところがあります。いっそ、病気はとてもしつこいのだと割り切ってしまいましょう。そうすれば、行動療法で何度か失敗しても「病気はしつこいのだ。簡単には治せなくて当然だ」と、そんなに気にしないで「しつこく」やり直せるのではないでしょうか。私の患者さんで良くなった人たちは皆「しつこく」行動療法をやり続けた方ばかりです。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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