2018.10.19更新

強迫性障害は、繰り返し心に浮かんでくる強迫観念によって引き起こされる不安感を軽減するための強迫行為を止められなくなる病気です。良くあるのが、強迫的確認と強迫的洗浄です。確認は鍵や電気・水道・ガス・火の元などが気になって、何度も確かめてしまうもの。洗浄は汚れているのではないかという感覚が取れずに何度も洗ってしまうものです。

強迫性障害の治療はSSRIを主体とした薬物療法と曝露反応妨害法という行動療法です。

行動療法は、強迫観念が起こるような状況を避けずに、引き起こされる不安感に直面して、強迫行為を行わないということをやります。

しかし、なかなか止められない強迫行為をやらないということは当然いろいろな工夫をしなければ成功しません。

工夫1.病気について徹底的に理解する

強迫性障害は自分の記憶や判断そのものがおかしくなってしまう訳ではなく、記憶や判断に自信が持てなくなっている状態です。強迫行為をするということは、自分を信じなかったということになり、ますます強迫観念がエスカレートしてしまいます。そういう病気の構造をまずは良く知ることが大事です。

 

工夫2.強迫行為をしないことを「我慢する」という捉え方ではなく「病気の脅しに応じない」と捉える

 人間は一般的に我慢が嫌いです。長続きしません。一方で、人間は強制されることが嫌いです。脅されて強制されるなんて好きな人はいません。そもそも、強迫行為というのは「病気に脅かされて渋々とやっているもの」であり、本来やりたいことではないはずです。それがいつの間にか「自分の意志でやっている」かのように錯覚させられてしまうのです。

 

工夫3.最初の課題は「何とかできそうなもの」をうまく選ぶ

 最初に成功体験を持つことは何かを身につける上で非常に重要です。

 

工夫4.スッキリ感や安心感を「直接」求めない

強迫観念によって引き起こされた不安やもやもやした気持ちを「即効的に」解消しようという誘惑から強迫行為をさせられてしまうという病気の構造をしっかり理解しましょう。スッキリ感を求めることは病気の罠です。スッキリしないまま次の行動に移りましょう。時間がたてばもやもやした気持ちや不安は必ず落ち着いてきます。

 

工夫5.病気と取引しない

 例えば、確認強迫で「後でまとめて確認するから」と自分を「納得させて」、目先の強迫的確認を逃れるというテクニック(?)を使う人がいます。病気をよく理解できていれば、これがなぜいけないか分かりますね。これは形を変えた強迫行為ということです。しかも、本人がその自覚を持てず、頑張って強迫行為をしていないと思ってしまうのでたちが悪いのです。一生懸命、行動療法を頑張っているのに成果が感じられないという人はこの点を見直してみると新たな展開があるかもしれません。

 

工夫6.病気はしつこいので、病気よりもしつこくなる

 強迫性障害という病気は本当にしつこい病気だと思います。乗り越えたと思っても、繰り返し病気の罠に落ちてしまうようなところがあります。いっそ、病気はとてもしつこいのだと割り切ってしまいましょう。そうすれば、行動療法で何度か失敗しても「病気はしつこいのだ。簡単には治せなくて当然だ」と、そんなに気にしないで「しつこく」やり直せるのではないでしょうか。私の患者さんで良くなった人たちは皆「しつこく」行動療法をやり続けた方ばかりです。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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