2014.07.23更新

 

不安に負けない自分を作る

未来は分からない。それでも人間は未来を予想してしまう。そこに、不確実なことに対して不安を感じるということが起こります。不安は危険があるということに対する警報です。不安を感じるから、脅威に対して対策を立てることが出来ます。その一方で、不安から心を病むこともあります。

 

1. 不安には2種類ある

・対処すべき不安:例えば、災害に備えること、防犯対策を行うこと、チャレンジに必要な準備をすること・・・これらは結果に対する不安があるからこそ、その不安に具体的な行動で対処するわけです。言い換えれば、具体的な行動で軽減させるべき不安ということです。

・感じるしかない不安:やるべきことをやっても、人間は完璧ではなく、結果は出てみないと分からないということは残ります。このような不安は感じるしかないのです。いやむしろ、感じることが正当な不安ということです。

 

2. 心を病むことになるのは「感じるしかない不安」の扱い方を間違えた場合

感じるしかない不安から逃げることは出来ません。最もまずいやり方は、この不安を頭の中で否定しようとすることです。考えないようにしようとする、そんなに不安に感じる必要はないと気持ちを押さえつける、何か理屈をこねくり回して自分を安心させようとする、誰かに「大丈夫だよ」と言ってもらうような「保証」をしてもらう・・・これらすべてが逆効果になります。なぜか?人間の思考や感情は「~しないようにする」という否定形のコントロールは苦手にできているからです。試しに何かについて「絶対に考えないようにしよう」と実験してみてください。結果は「より考えてしまう」でしょう。同様に、不安や悲しみなどネガティブな感情を抑圧しようとすると、短期的にはうまくいっても、リバウンドしてかえってそのような感情が強くなってしまい、最悪、心を病むことが分かっています。

 

3. 不安から逃げるのではなく、感じることが大事

不安を感じたら、自分が不安を感じているという事実をただ受け入れましょう。対処すべき不安であれば具体的な行動を取るのです。感じるしかない不安であれば、不安に意識を集中して、自分の内部感覚を味わうのです。胸が苦しい感じだとか、喉が詰まる感じだとか、心臓がドキドキするとか・・・。気をそらそうとするのはなく、逆に注目するのです。何が起こっているのか、一つも見落とさないように注意深く見守るように。コントロールしようとしてはいけません。今、ここで、あるがままに感じていることを味わってください。不安とともに、悲観的な思考が沸きあがってきても、それもそのまま自由に心に浮かぶままにするのです。そして、しっかりと見守ってください。ただし、少し離れて観察するようなイメージで。

 

4. 感じていることは「未来の現実」ではないことを思い出す

どんなに、不安を感じて、悲観的な思考が浮かんできても、現実がそのとおりになるわけではありません。悪いことが起こるような不安がいくら強いからといって、その不安の強さで現実が決まるわけではないのは、落ち着いて考えれば明らかなはずです。感じていることと現実は別、当たり前です。この当たり前のことを思い出すようにしてみましょう。

 

5.現実の行動は、不安に左右されず、「自分が目的を達成するため」のことを実行する

例えば、結果が分からないチャレンジをするなら誰でも不安を感じます。感じるしかない不安は受け止めて、その上で、行動はそれに左右されないようにして、しっかりと具体的な準備を実践することです。

 

6. 不安に負けない体を作る

そうは言っても、過剰な不安に混乱してしまうようでは困ります。体の調子が良くなければ不安に負けてしまうかもしれません。生活リズムをキープし、7時間以上の睡眠とバランスのいい食事をとりましょう。運動習慣も必要です。アルコールやカフェインは控えましょう。腹式呼吸で副交感神経を強化しましょう。

 

7.気持ちを聞いてもらえる人を作りましょう

素直に、飾らないで、自分の気持ちを無批判に聞いてもらえる相手を作りましょう。批判やアドバイスをする相手には安心して正直な気持ちが話しにくいでしょう。注意しなければならないことは、相手から不安を打ち消すための「慰め」や「保証」を求めてはいけないということです。不安を感じていることは当然の気持ちでおかしなことではないと認めてもらうだけでよいのです。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2014.07.23更新

 

不安に負けない自分を作る

未来は分からない。それでも人間は未来を予想してしまう。そこに、不確実なことに対して不安を感じるということが起こります。不安は危険があるということに対する警報です。不安を感じるから、脅威に対して対策を立てることが出来ます。その一方で、不安から心を病むこともあります。

 

1. 不安には2種類ある

・対処すべき不安:例えば、災害に備えること、防犯対策を行うこと、チャレンジに必要な準備をすること・・・これらは結果に対する不安があるからこそ、その不安に具体的な行動で対処するわけです。言い換えれば、具体的な行動で軽減させるべき不安ということです。

・感じるしかない不安:やるべきことをやっても、人間は完璧ではなく、結果は出てみないと分からないということは残ります。このような不安は感じるしかないのです。いやむしろ、感じることが正当な不安ということです。

 

2. 心を病むことになるのは「感じるしかない不安」の扱い方を間違えた場合

感じるしかない不安から逃げることは出来ません。最もまずいやり方は、この不安を頭の中で否定しようとすることです。考えないようにしようとする、そんなに不安に感じる必要はないと気持ちを押さえつける、何か理屈をこねくり回して自分を安心させようとする、誰かに「大丈夫だよ」と言ってもらうような「保証」をしてもらう・・・これらすべてが逆効果になります。なぜか?人間の思考や感情は「~しないようにする」という否定形のコントロールは苦手にできているからです。試しに何かについて「絶対に考えないようにしよう」と実験してみてください。結果は「より考えてしまう」でしょう。同様に、不安や悲しみなどネガティブな感情を抑圧しようとすると、短期的にはうまくいっても、リバウンドしてかえってそのような感情が強くなってしまい、最悪、心を病むことが分かっています。

 

3. 不安から逃げるのではなく、感じることが大事

不安を感じたら、自分が不安を感じているという事実をただ受け入れましょう。対処すべき不安であれば具体的な行動を取るのです。感じるしかない不安であれば、不安に意識を集中して、自分の内部感覚を味わうのです。胸が苦しい感じだとか、喉が詰まる感じだとか、心臓がドキドキするとか・・・。気をそらそうとするのはなく、逆に注目するのです。何が起こっているのか、一つも見落とさないように注意深く見守るように。コントロールしようとしてはいけません。今、ここで、あるがままに感じていることを味わってください。不安とともに、悲観的な思考が沸きあがってきても、それもそのまま自由に心に浮かぶままにするのです。そして、しっかりと見守ってください。ただし、少し離れて観察するようなイメージで。

 

4. 感じていることは「未来の現実」ではないことを思い出す

どんなに、不安を感じて、悲観的な思考が浮かんできても、現実がそのとおりになるわけではありません。悪いことが起こるような不安がいくら強いからといって、その不安の強さで現実が決まるわけではないのは、落ち着いて考えれば明らかなはずです。感じていることと現実は別、当たり前です。この当たり前のことを思い出すようにしてみましょう。

 

5.現実の行動は、不安に左右されず、「自分が目的を達成するため」のことを実行する

例えば、結果が分からないチャレンジをするなら誰でも不安を感じます。感じるしかない不安は受け止めて、その上で、行動はそれに左右されないようにして、しっかりと具体的な準備を実践することです。

 

6. 不安に負けない体を作る

そうは言っても、過剰な不安に混乱してしまうようでは困ります。体の調子が良くなければ不安に負けてしまうかもしれません。生活リズムをキープし、7時間以上の睡眠とバランスのいい食事をとりましょう。運動習慣も必要です。アルコールやカフェインは控えましょう。腹式呼吸で副交感神経を強化しましょう。

 

7.気持ちを聞いてもらえる人を作りましょう

素直に、飾らないで、自分の気持ちを無批判に聞いてもらえる相手を作りましょう。批判やアドバイスをする相手には安心して正直な気持ちが話しにくいでしょう。注意しなければならないことは、相手から不安を打ち消すための「慰め」や「保証」を求めてはいけないということです。不安を感じていることは当然の気持ちでおかしなことではないと認めてもらうだけでよいのです。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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