2018.01.26更新

職場でもプライベートでも、人間関係は最大のストレス因ですね。

イヤな人はどこにでもいますが、なるべくなら、自分が受ける被害を最小限にしたいものです。

代表的な心理療法である、認知療法や対人関係療法の考え方を使って、イヤな人にどう対処するかをまとめてみました。

 

1.「あの人のせいで私は具合が悪くなる」は本当か?

イヤな人  →  自分が不調になる

(原因)     (結果)

 

原因論という考え方。分かりやすいが、人はこんなに単純ではない。しかも、解決というよりは「被害者意識」や「無力感」につながりやすい。

 

    ・あの人が悪いから・・・

    ・かわいそうな私・・・

    ・(他人は変えられないので)どうにもできない自分は無力・・・

 

2.自分の受け止め方が結果を変える

不完全な他者 → 自分の解釈・意味づけ → 自分への影響

(外部の出来事) (認知)         (結果)

 

認知療法の考え方。「他者」「外的出来事」そのものが自分への影響を決定するのではなく、「自分の解釈や意味づけ」が決定するのだという考え方。

「自分の解釈や意味づけ」=捉え方を変えれば、自分への影響を変えることができる。自分への影響は自分で変えることができる。

 

つらくなる捉え方の例

相手を決めつける 「絶対こういう人だから・・・」
正しいか正しくないかを優先しすぎる 「相手が間違っている」
自分を無力な被害者と考える 「どうせ、何も変わらない」
 

3.怒りという感情とうまく付き合う

怒りとは? 本来あるべき状態との不愉快なずれがあるというサイン

つまり、「怒っている」は「困っている」と同じ意味。

 

まずは、本当に困っていることは何かはっきりさせたうえで、

うまくいってないことをうまくいくようにする
「うまくいくはずだ」という自分側の期待を変える


4.人間の不完全さを受け入れる

他人は不完全な存在であり、欠点や弱点を持っていることを受け入れる=自分の不完全さも受け入れることでもある。他人が何をしても許すということではない。

不完全な人が集まって、何とか協力し合っているのが、社会や職場。

 

5.相手との関係にストレスを感じるときにできること 

被害者にならない

・自分が「被害」にあったというストーリーを「本当にそう断言できるか」と保留する態度を身に着ける。

・人にはいろんな事情があるはずだと考える。そして、他人の事情をすべて知ることは不可能なのだから「決めつける」ことはできない。

・「正しさの綱引き」に勝利はない。相手の事情を理解しようと努め、どちらが正しいかを決めない態度を身に着ける。

 
自分の課題と相手の課題を分離する

・相手が自分に何を期待するかは相手の課題、どこまで応えるかは自分の課題。相手の課題はコントロールできない、自分の課題をコントロールすることに集中する。

・相手の意見は相手がそう思っているだけ、それを採用するかは自分が決める。不愉快なことは「あなたはそう思うんですね」と受け流す。

 
期待のずれを解決する

・自分が相手にしてほしいことをしてくれない、してほしくないことをする、どちらもストレス。期待のずれ。

・相手を変えることはできないが、相手の行動は変えてもらえるかも。

・要求よりも依頼の方がうまくいく。

・自分の期待は相手にとって現実的に可能か? 

・自分の期待は相手に、きちんと分かりやすく伝えられているか?

・相手が自分に期待していることは何かつかめているか?

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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