小澤公良先生、日本橋メンタルクリニックの御開院おめでとうございます。併せて、これまで多大なるご貢献を賜りましたことを、千葉大学附属病院精神神経科を代表して心より感謝申し上げます。
当科では「目の前の患者さんに最善の医療を提供し、将来さらによい医療が提供できるよう努力する」をモットーに診療に取り組んでいます。特に、薬物療法においては、エビデンスに基づいた合理的で適正な薬物の使用を重視し、また、精神療法では世界的に標準的治療とされている認知行動療法を積極的に取り入れています。小澤先生は、この理念の下、質の高い診療を実践し、また、指導医、病棟医長として、後進の育成や看護スタッフとの連携にも尽力してくださいました。そのご尽力のお陰で当科全体としても良質な医療を提供できてきたと考えております。
一方、近年、わが国でも高い自殺率やビジネスマンのうつ病などが社会的に大きく注目されています。企業従業員は過重労働や人間関係などのさまざまなストレスにより、こころの病の危険にさらされています。今後、精神科医療においても、企業従業員のメンタルヘルスへの関わりは、益々重要な課題となることは間違いありません。小澤先生は、このような産業精神医学に関心を持ち、精神科医として産業医の資格も取得しており、このたび、代表的なビジネス街である日本橋において「地域で働く人のメンタルヘルスに貢献すること」を理念としてクリニックを開院されました。小澤先生が当科を去られることは大きな痛手であります。しかし、高い理想を持って新しいフィールドにチャレンジされることに心から敬意を表したいと思います。また、千葉大学附属病院精神神経科で学んだことを生かし、必ずや、地域で働く人のメンタルヘルスに貢献できることを確信しております。頑張ってください。
千葉大学大学院医学研究院精神医学 教授 伊豫雅臣
私と小澤先生との出会いは、千葉産業保健推進センターの研修会でした。
「産業現場のメンタルヘルスの実際を知りたいから・・。」とご多忙な大学病院の勤務の中を私の担当する研修会に毎回参加してくださいました。結果的には、先生から専門的知識や助言をいただくこと多々、参加企業の事例等に関しても適切なご指導をいただくことになりました。
先生の質の高い幅広い専門性に裏付けられた具体的なご指導は参加者にとって心強いものでした。
今、日本の産業界は、グローバリゼーション、IT技術革新、バブルをもたらしたマルチプル経済という世界規模の新たな産業革命の中で、情報・流通・経済の動きが一気に加速され、企業は国際競争激化のなか、徹底したコスト削減、リストラ、企業買収・合併、成果主義の導入など、勤労者の働き方を根底から大きく様変わりさせました。勤労者は身体的健康のみならずこころの健康も蝕まれています。個人生活においても、少子高齢化社会、介護や老後問題、世代間のズレ、不登校、閉じこもり、家庭内暴力、いじめ、非行など様々な問題を抱えています。
このような社会情勢の中で、小澤先生は「地域で働く人のメンタルヘルスに貢献すること」を理念として開業されました。きっと、患者さんとの対話を重視した診療で、地域住民に信頼される精神医療を提供してくださることでしょう。大学病院でのご研鑽と臨床経験を礎にして、地域のメンタルケアに役立つ医療を行って下さるでしょう。
また、患者さんの健全な会社生活支援のために、企業(人事・産業保健スタッフ・安全衛生担当者等)の方々との綿密な連携も重視していらっしゃいます。
ストレスの多い現代社会です。不安・イライラ・不眠・動悸・めまい・不快感...。
こころに不安や悩みの種を見つけたら、ひとりで悩まず、日本橋メンタルクリニックのドアをノックしてみてください。日本橋メンタルクリニックは"町のこころの休憩室"として、暖かい雰囲気で小澤先生が迎えてくださることでしょう。
小澤先生は精神医療を通じて地域社会におけるホームドクターとして活動してくださると思います。
帝京平成大学大学院健康情報科学研究科 教授 森崎美奈子