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心の病
うつ病(鬱病)
気分が沈み、やる気がでない。食欲がなく、眠れない。疲れやすい。集中力・持続力が落ちた。新聞やテレビを観ても頭に入らない。何をするのも億劫。焦ってばかり。
双極性障害(躁うつ病)
気分が落ち込み、「うつ」と言われて治療をしてるのによくならない。そういえば、以前に活動性がすごくあがっていたときがあった。今も落ち込んでいるはずなのに、時々妙に気分が高揚したり、イライラしたりする・・・。
パニック障害
発作性に起こる動悸、息苦しさ、冷や汗、強い不安感のため、電車に乗るのがつらい。
強迫性障害
同じことを何度も確認してしまう。不潔恐怖。不吉なことを繰り返し考えてしまう。
社交不安障害
人と接するときに不安が強く、手が震えたり、赤面したり、どもってしまう。恥をかくことを異常に怖れてしまう。

適応障害
はっきりしたストレスが
原因で起こる抑うつや不安などの症状。うつ病との鑑別が難しい場合があります。

過敏性腸症候群
緊張すると腹痛、下痢が起こる。トイレのないところに行けない。

身体表現性障害
原因不明の体の症状〜検査しても異常がない。症状に注目すると悪化する。自分の感情を表現することが苦手な人に多い。


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心の病【双極性障害(躁うつ病)】

気分が落ち込み、「うつ」と言われて治療をしてるのによくならない。
そういえば、以前に活動性がすごくあがっていたときがあった。今も落ち込んでいるはずなのに、時々妙に気分が高揚したり、イライラしたりする・・・。

 

自信に満ちて活動的になる躁状態とその逆のうつ状態という
二つの気分状態の極性を持つ病気

 躁うつ病というのは、自信に満ちて活動的になる躁状態とその逆のうつ状態という二つの気分状態の極性を持つ病気です。現在は正式には双極性障害といいます。躁とうつの両極の間を気分が波のように変動するわけです。

 躁とうつは正反対で相反する状態のように思われますが、実際には、同時に躁とうつの成分が交じり合うことがあり、それを混合状態といいます。例えば、うつで非常に気分は落ち込んでいるにもかかわらず、活動性は亢進してしまい、衝動的になってしまうといった状態がそれにあたります。

 このような状態は自殺のリスクが高いことが昔から知られています。双極性障害ではこの気分の波の振幅を抑えることが治療の目標になります。このために使われる薬が気分安定薬です。理想的な気分安定薬とは躁状態の治療と予防、うつ状態の治療と予防ができる薬剤ということになりますが、残念ながら現時点でそのような薬は存在増しません。現在用いられているものには、炭酸リチウム(商品名リーマス)、バルプロ酸(デパケン)、カルバマゼピン(テグレトール)などの薬があります。

 ちなみにバルプロ酸とテグレトールは元々てんかんの薬だったものに、気分安定作用が発見されたものです。さらに、本来は統合失調症という別の病気の治療薬である新規抗精神病薬のオランザピン(ジプレキサ)、クエチアピン(セロクエル)も気分安定薬としての作用が期待されています。双極性障害の場合、うつ状態のときも、抗うつ薬ではなく、気分安定薬が用いられます。ただし、例えばリーマスの場合、躁状態には2週程度で効果が現れることが期待できるのに対して、うつ状態への効果発現は6週程度とより長くかかるようです。平成23年7月からラモトリギン(ラミクタール)という薬が使えるようになりました。この薬は双極性障害の病相予防効果が高く、うつ状態を改善する作用が他の薬物よりも強いため非常に期待されています。
 最近、躁状態が比較的軽度(軽躁状態)で、本人も周囲の人も病的と思わない双極性障害U型という病気が話題になっています。軽躁状態では、自信が高まり、仕事を精力的にこなします。また睡眠欲求の減少といって睡眠時間が短くてほとんど疲れを感じなくなります。寝不足でも頑張っているのとは違い「寝不足感」が出ないのです。

 平日に働きすぎて、休日はぐったり溜め寝・・・などということもなく、プライベートも活発になります。しかし、社会的にひどく逸脱するような行為には走らないので、病気には見えないわけです。ですから、軽躁状態で受診するということはまずありません。

 双極性障害U型の患者さんが受診するのは、うつ状態のときがほとんどです。そのうつ状態だけを見ると、はっきりとしたストレスに対する反応としての適応障害と思われることもあれば、単極性うつ病(いわゆるうつ病)と区別がつかない症状を示していることもあります。この場合、双極性障害であることを見逃して、抗うつ薬を投与してしまうと、なかなか治らないだけでなく、躁状態を誘発したり、将来的に気分の変動を激しくしてしまったり、などの有害なことが起こりえます。そこで、以前に軽躁状態と思われる時期があったかを問診で確認することが診断のために重要なのですが、これは意外と難しいことなのです。実際に、うつ病と診断された患者さんの3割程度がのちに双極性障害と診断し直されることが分かっていますし、双極性障害の患者さんの3割は正しく診断されるまで10年以上かかってしまうとも言われています。うつ病の治療を長く受けているのに、なかなかよくならない場合、以前に軽躁状態と思われるエピソードがなかったかを、本人・家族・主治医で、もう一度話し合ったほうがいいかもしれません。抗うつ薬中心の処方から、気分安定薬中心の処方へ切り替えることで改善することもあります。
 最後に気分安定薬の副作用についてまとめてみます。炭酸リチウム(リーマス)は、通常使用量では眠気やふらつきなどはほとんど生じません。その意味では飲みやすい薬です。比較的良く見られる副作用は、手の振るえと下痢です。手の振るえは激しくはないのですが、時に作業に支障が出る場合があります。薬を減らすことで対応できない場合は、β遮断薬という薬で軽減することが出来ます。下痢は、ほとんどの人では問題になりませんが、まれに薬をかなり減らさないと治まらない方がいます。吐き気も頻度は多くないですが、時に見られる副作用です。美容上問題となる副作用として「にきび」があり、特に女性の場合、服薬拒否につながるため注意が必要です。体重への影響は、増加と減少の両方があるようです。長期的な副作用としては腎機能・甲状腺機能を低下させる場合があります。このため、服用中は定期的な採血が必要になります。

 しかし、リーマスの最も注意すべき副作用は中毒です。故意に大量に服用しなければまず安全ですが、下痢による脱水や、解熱鎮痛剤・ある種の降圧薬との併用などで、血中濃度が上昇し中毒を起こす可能性があります。運動失調やけいれん、意識障害、心機能抑制など重篤な中毒症状が起こりえますので、服用中の方は、適切な水分摂取(普通の生活なら問題ない)や併用薬に注意が必要です。バルプロ酸(デパケン・セレニカ)は、眠気やだるさを訴える方が比較的多いようですが、容量を徐々に上げれば次第に慣れが生じるようです。文献的には胃腸症状が副作用として最も頻度が高いようですが、当院ではあまり経験はありません。20%の方に体重増加が認められるという報告があります。毛髪変化・脱毛が見られることがありますが、多くは軽度で一過性のようです。爪がもろくなるような変化がまれに見られます。炭酸リチウムと違って、中毒をそれほど気にしないで使えるのは利点であり安全な薬と言えます。ただし、極まれですが重篤な副作用として、肝障害、膵炎、造血障害などがあり、やはり、定期的な採血は必要です。カルバマゼピン(テグレトール)については、当院ではほとんど使用しないため省略します。 ラモトリギン(ラミクタール)の副作用で最大限の注意を要するものは皮膚のかゆみと発疹です。軽度な場合を入れると10%くらいの人に出現します。ときに重症化して命にかかわるようなことも1000人に3人の頻度で起こるといわれているためリスクのある薬といえます。そのため、特に投与開始初期は少量からゆっくりと増量していくことや、軽度でも発疹が生じた際にはすぐに服薬を中止することが必要です。

 

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