|東京都中央区 心療内科・精神科・カウンセリング 日本橋メンタルクリニック

東京の心療内科 精神科 うつ病、パニック障害、適応障害、身体表現性障害、ストレス、不眠などの症状でお悩みの方、随時カウンセリング受付

忙しい方のため、19時の通常診療終了後に時間外初診枠を増設しました。

・18時30分過ぎに受付、問診票などを記入していただき、19時頃からの診察。
・この枠で初診となった場合も以後の再診は通常時間内での診療となりますのでご注意ください。

働く人のためのメンタルクリニックです

働く人の6割以上は仕事に関して強い不安やストレスを感じていると報告される時代です。

⇒現実に、メンタル面に不調を訴える働く人が増加しています。

当クリニックは、うつ病をはじめとした働く人のこころの問題に対して、適切な治療・援助を提供します。

・上司の方や人事労務関係の方のみのご来院によるご相談も可能です。

⇒心の健康診断や職場で困っている事例に関する相談なども受け付けます。

働く人の心の病に特化。当院で改善した病状などをご紹介しています。

当院の特徴

働く人のこころの健康問題を専門としている精神科専門医が診療します。東京大学大学院「職場のメンタルヘルス専門家養成講座」修了、認定産業医としても実務経験を継続しています。曜日により医者が変わることもありません。

投薬のみに偏らない、対話を重視した診療・相談を行っています。きちんとした診断としっかりした説明を大事にしているため、待ち時間が長くなることがあります。「他のクリニックとは全然違う」との感想をただけることも多いです。当院の取り組みに対する患者さんの声はこちら(外部機関)

新患は最終19時から(受付は18時45分まで)、再診の場合、夜19時まで(受付は18時半まで)診療を受けられます。

うつ病、適応障害、双極性障害、不安障害(パニック障害、社交不安障害)、強迫性障害、摂食障害、身体表現性障害などを中心に診療しています。不安障害や摂食障害に対しては、行動療法、認知行動療法、対人関係療法、アサーショントレーニングなど治療オプションが豊富です。

臨床心理士心理カウンセラーによるカウンセリングも受けられます。

狭義の「病気」未満の「悩み」に関しても積極的に相談に乗っています。一般の方には、ご自分の問題が「病気」かどうかの判断も難しいことがあります。受診して「病気」でないことが分かって安心できれば、それはそれでよいですし、「悩み」によるストレスも放置すれば「病気」になってしまうかもしれません。

過去の記事

予約の前にご確認ください

初めて受診される方は予約を必ず守ってくださるようお願いします。

前営業日19時までなら変更・キャンセルが可能ですが、理由にかかわらず当日の無断キャンセルはご遠慮ください。

診察にかかる時間は?

1.初診の方
診察と待ち時間を合わせて、最大2時間程度かかる場合がありますので、お時間に余裕のあるときに予約してください。
2.再診の場合
診察時間は話の内容により5分から30分です。待ち時間はその日の混雑状況により、ほぼゼロから最大1時間程度とばらつきますが、平均は30分以下だと思います。

診察にかかる費用(窓口支払額)は?(平成24年4月以降)

1.初診の場合、保険適用で3,300円程度です。(注1)
2.再診の場合、1,500円程度です。(注2)
いずれも、薬代・検査代は別となります。心理カウンセラーによるカウンセリングは必要な方のみで、自費となります。自立支援法指定医療機関ではありません。

注1:初診は、予約料1,000円が含まれています。
注2:再診は、診察時間が20分を超えた場合のみ予約料1,000円が別途かかることがあります。
予約料とは予約診療をしている医療機関が設定可能な正当な報酬の一つです。当院では初診時など特別に時間を要する場合のみにご負担いただいております。通常の再診ではかかりません。

希望する薬・診断書がもらえるのか?

患者さんの希望は最大限尊重します。ただし、薬については医師が適切と判断できない場合は、説明の上、ご希望に添えない場合があります。例えば、生活リズムが不規則・毎日飲酒しているなどの場合、睡眠薬を希望されてもまず規則正しい生活と禁酒を指示します。診断書についても、例えば、職場のストレスで休職になった場合、ご本人がそれをどうやって解決するかということに真剣に向き合ってくれなければ漫然と休職延長することはいたしません。

治療って何をするのか?

問題を明確にすること、患者さん自身が回復しようという努力をサポートすることです。何をどうすればよいか分からないと効率の悪い努力をしてしまいます。正しい努力はケースバイケースで「病気であると認めること」「仕事を休むこと」「薬をきちんと飲むこと」であったり、「行動療法に取り組むこと」「家族に気持ちを言葉で伝えること」「上司に相談すること」であったりと様々です。

<クリニック通信~随時更新~>

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いい医者の条件?

今回は私から見て「いい医者」と思える条件を挙げてみます。決して自分がすべての条件を満たせているわけではないくせに、あえて書いてみます。

  1. 病気についての知識

専門家とはいえ重箱の隅的なことまで熟知していることはありえませんが、患者さんからの当然の質問には答えられるくらいの知識があることは必要でしょう。その一方で、自分に分からないことは知ったかぶりをせずに率直に分からないと言える謙虚さも必要です。さらに、病気に関する知見は日々新しいことが出てきますので、勉強してアップトゥーデイトする姿勢も大事です。

  1. 傾聴の態度

特に初診の際など、患者さんの話をきちんと聴くこと。時間的な制約はもちろんあるのですが、患者さんが本当に言いたいことや気持ちを想定しながら聴くことが大事でしょう。患者さんの考えが間違っている時もいきなり否定的に返さず、どうしてそう考えるのか話し合える余裕があるべきです。患者さんの話が分からないときは、表面的にわかったふりをしないことも大事です。さらに、必要なときには患者さんを叱ることができる人間力も備わっているのが良いでしょう(ここは私の一番弱い部分ですが・・・)。

  1. 薬物の使用が適正

薬の効果や副作用について十分な知識があり、患者さんに説明できることは当然です。

うつ病で抗うつ薬を使用する場合は、ためらうことなく十分な量・期間投与することができなければなりません。患者さんの飲み心地を重視しますが、初期だけの副作用で慣れれば消えていくようなものと考えられるものなら患者さんを励まして乗り越えてもらうことも医者の仕事です。薬の中には副作用チェックの採血が定期的に必要なものや血中濃度の管理が必要なものがありますが、そういう検査をきちんとすることです。以前は安全と思われ頻用されていたベンゾジアゼピン抗不安薬は、依存や気分不安定化、長期的には認知症のリスクがあることなどが分かってきており、安易に処方しないことや、漫然と投与を続けないことが必要です。すでに常容量依存になっているケースで断薬できるように持って行けるテクニックも必要です。

  1. 薬以外の治療的観点がある

薬以外にも、例えば不安障害には曝露療法が有効であり、基本的な行動療法は行える技量はあるべきです。自分でやらなくても心理士に代行してもらう指示が出せることが必要です。患者さんを取り巻く種々の環境要因に配慮することも大事です。患者さんのパーソナリティ、価値観にも意識を注ぐことができなければなりません。

  1. 患者さんが治ることが喜び

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テーマ:気持ちを話せない悪循環から抜け出す

 今回は、水島広子先生の対人関係療法の著書を引用しながら、「気持ちを話せない悪循環から抜け出す」というテーマでお届けします。
 頭痛、腹痛、下痢、動機、めまい、過食、拒食など・・・身体的には異常がないにも関わらず、ストレスにより体に症状を現れることがあります。表に見えている症状は様々ですが、このような症状が出る人の特徴の1つとして、「気持ちを話すのが苦手」という共通点があります。
 自分の気持ちを話せない人の不安は、主に3つあります。①自分の気持ちが他人からどう思われるかという不安
 嫌われるのではないか、ダメな人間だと思われるのではないか、などと考えると、なかなか自分の気持ちを打ち明けにくくなります。
②自分の気持ちを話すことによって起こるトラブルを怖れる気持ち
 「いい人」でいようとする人は、他人からどう思われるかという不安を持っているのと同時に、人間関係での対立が怖い、と感じます。人と意見を闘わせることによって問題を乗り越えたり、深い関係をつくった経験がないので、「意見の対立=関係の崩壊」と考えてしまうのです。自分の意見をいうことが生産的な意味を持つというイメージがうまくわきません。身近な人からそのようなプラス例を学んだことがないという人がほとんどです。
③自分の気持ちを打ち明けることで、人との距離が近くなるのが怖い
 人との距離が近くなって「本当の自分」を知られてしまうと嫌われるのではないか、という①の不安に近いものです。

 さて気持ちを話さない結果としてどのようなことが起こるのでしょうか。まず、「相手にどう思われるか」を気にして気持ちを言わないと、相手は「本音を言ってくれない、自分と親しくなることに関心のない人」、「つまらない」などという目で見られることになり、必ずしもプラスの効果を生むわけではありません。人間は、相手に点数をつけるために人と関わるのではなく、親しくなって人間関係を楽しみたいから関わることが一般的です。ですから、「完璧な人」よりも「欠点も含めて人間味のある人」の方が好かれる場合が多いのです。
また、対立を避けるという姿勢ですが、相手と気持ちを話し合ったからといって必ずしも争いになるわけではなく、むしろ関係性を深めることになります。説明が不十分なほうが誤解されて対立につながるということもあります。本当の意味で対立を避けたければ、「対立を避けたい」という自分の気持ちを正直に話した方がよいのです。ちゃんと本心を言い合ってお互いを知ると同時に、「相手は本当のことを言ってくれている」という信頼関係を築いていくのが人と親しくなるということです。
「気持ちを話すと相手に振り回される」という考えも、実は全く逆で、自己主張をしていかないと人のペースに振り回されるばかりです。
このように、気持ちを話すことの意味をしっかり意識して人とのコミュニケーションを進めていくことが第一歩になります。
 そして、「私は~思う、~感じる、~したい」という自分の気持ちを、日々確認する必要があります。日記をつけてみたり、「私はどう思ったんだろう?」と、自問自答してみるのも良いかもしれません。気持ちが確認できるようになれば、伝えることの実践です。相手を批判したり、責める印象にならないためには、「あくまで自分の気持ちである」というニュアンスを伝える必要があります。「私は」を主語にして、自分の気持ちを表現してみましょう。このようなことを実践していく中で、相手との信頼関係が深まる過程を体験できます。その繰り返しで、自分の気持ちを話すことの心地よさ、大切さを実感していただきたいと思います。

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企業のメンタルヘルスに関わる専門職のための精神科研修

 当クリニックは、地域で働く人のメンタルヘルス上の諸問題に対して、適切な治療・援助を提供する目的で開設され、多数の働く人の治療にあたるとともに、産業活動、メンタルヘルス相談、講演会などの産業保健活動に力を入れてきました。
当院では、今年度より産業保健活動の一環として、企業で働く専門職の方を対象に研修を実施することにいたしました。企業で働く方のメンタルヘルス支援をどのように考えるべきか、見立てから方針の立て方、企業側スタッフとして何をどこまでやるべきかなど、指導を受けることができます。
以下をご参照の上、ご興味のある方は、是非、お問合せください。

  • 対象

企業で働く人のメンタルヘルス支援に携わっている専門職の方(保健師、臨床心理士、産業カウンセラーなど)

  • 目的

診断能力を向上させることにより、クライエントの問題の本質を見極め、適切な支援方針を立てられる力を身に着ける。(医療的な介入が必要な症状なのか、会社側の環境調整で解決する問題なのか・・など)

  • 研修内容

当院では、1日約3名の新規患者様を受け入れております。
研修では、インテーク面接(予備診察)を取り、そのまま診察に陪席し、医師が診断する流れを見てもらいます。終了後は、医師からの指導、解説があります。休み時間などを利用して、抱えているケースについての相談も可能です。

  • 研修期間

ご相談に応じます。以下診察日をご参考にご検討ください。
(例)毎週○曜日 10:00~13:00など

<お問合せ> 日本橋メンタルクリニック 03-3243-2772


患者さんの治療体験記

 2年以上前より腹痛と下痢に悩まされていました。胃腸科でも診断がつかず、なんとなく、仕事上のストレスが症状に結びついているのだろうな・・・とは思っていました。メンタル系の病院には抵抗があり放置してきましたが、電車も途中下車を繰り返すようになり、出勤も困難になりました。さすがに、これはおかしいと思って、日本橋メンタルクリニックでお世話になることになったのです。
 治療の過程では、いろいろなことを考える時間をもらえました。今までの人生で、自分で何かを決めて選んだことが少なかったことに改めて気づきました。私は、3ヶ月の休職の後、退職という選択をしましたが、それを決めるまでが葛藤の日々でした。両親にしてみれば、6年勤務した世間的にも立派な会社であり、退職することは無いんじゃないかと・・・。それに、転職するなら、一旦戻って、次を見つけてから辞めればいいじゃないかと・・・。もっともな正論です。でも、自分の中では、会社が嫌いになったわけではないが、もう戻るところではないと感じていたのです。
 先生は診察の度に、私の矛盾した気持ちや板ばさみの気持ちを、私自身が言葉で表現できるように、丁寧にサポートしてくれました。そして、ある時に、先生が言われた言葉で救われました。
「失敗してもいいじゃないですか。自分の人生なんだから、自分で選んでいいんですよ。自分が納得して選んだ道なら、失敗してもそれがまた糧になるのではないでしょうか。」
 当たり前のような言葉ですが、自分にはそれがなかったのだと気づかされました。多分ですが、こちらのクリニックに来なければ、今までどおり両親の意見に従ってもとの会社へ戻っていたと思います。もちろん、それも一つの道でしょう。それでも、私は違う業界にチャレンジしたいという気持ちはっきりと感じられるようになっていたのです。休職はしていても、正直、心は休めなかったのですが、退職を決めた時から急に心が軽くなったのを覚えています。
 両親の顔色を伺い、世間体や社会的安定などにとらわれて生きてきましたが、そんなものは一度抜け出してみたら大したものではなかったと今は思えます。
 ありがいことに希望した業界での内定をいただいた時に、妹からこう言われました。「お姉ちゃん、初めて自分で決めて動いて成功したね。」本当にその通りです。新しい業界では一からのチャレンジです。きっと悩んだり考えたり、苦労も多いと思います。でも、自分の選んだ道ですから、頑張れると思います。
 自分を変えるきっかけとなった日本橋メンタルクリニックに感謝しています。
本当にありがとうござしました。

 

医療に丸投げする職場

職場の人間関係、仕事への能力・適性不足による不適応、このような問題で悩み、心身の不調を呈する人たちが増えています。これらは、本来、職場内で解決すべきことであり、医療の問題ではないと私は考えています。もちろん、不調が激しくなり、日常生活や仕事に支障が出るレベルになれば「適応障害」という診断がつけられて治療の対象になることもあり、私はそういう患者さんが来てくれるおかげで仕事ができる面もあるのですが・・・それでも、やはり、「ちょっと待ってください」と言いたくなります。悩みがあっても、ある日突然仕事ができない状態になってしまうことはほとんどありません。多くの場合、「悩める人たち」は、休職が必要となる前に何らかのサインを周囲に出しているし、直接上司等に相談している場合も多いのです。それなのに、周囲は実効的な対策をすることなく、「悩める人たち」は「病んでいる(ように見える)人たち」へ悪化してしまうのです。さらに、「悩める人たち」に「甘えているのではないか」「頑張れ」と言って、最終的に「悩める人たち」の「心を折る」上司や産業医もいます。私は、「悩める人たち」側に未熟さや甘えのような問題はないとか、「頑張れ」というのが間違っているとか主張したいのではありません。私が納得できないのは、職場側が問題を解決する責任を果たそうとしないことです。未熟な人が増えてきており、「そんなことも教えなければならないのか」と嘆きたくなるようなケースが出てきているのは事実です。しかし、その事実を現実として受け止めて適切な対処をしないのなら、その職場自体が「未熟」なのではないでしょうか。未熟な人に対して何の工夫もせずにただ「甘えている」と指摘しても改善する見込みは少なく、反発されるだけであることは、容易に想像できるはずです。「頑張れなくなっている」状態の人に、本人が支えられているという感覚を持たせることもなく「頑張れ」というのは逆効果でしょう。未熟であろうと雇った以上はきちんと育てる責任が職場にあるでしょうし、明らかに能力・適性がないなら、本人と真剣に話し合ったうえで辞めてもらう方向に持っていけばよいでしょう。ところが、「未熟」「甘え」「本人の問題」として適切な対処を怠り、かといって、誠実に向き合って辞めさせることもしない。そして、どうしようもなくなると今度は「病気の可能性があるから受診しろ」と医者に丸投げする。さらに、「完全に治して戻ってこい」などと言う・・・残念なことに、そんな職場が増えてきているようです。

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精神科医のよろず相談?

 精神科医というと人の心が分かるとか悩み事の解決が出来るとか、そういうイメージがあるのかもしれません。実際、失恋・不倫・夫婦不和・借金問題・セクハラ・パワハラ・・・など、さまざまな問題が診察室に持ち込まれます。診断分類には、ストレスが原因で起こる不安や抑うつに対して適応障害という病名が用意されているので、ストレスによる不調もやはり医療で扱うべき問題ではないかと思われてしまう面もあります。しかし本音を言うと、私達医者に出来るのは、病気の診断と治療であり、人生の問題を解決することが出来るわけではありません。「不倫相手との関係に悩んで気持ちが落ち込み眠れない・・・」と訴えられても困るのが正直なところです。その一方、心情的には、目の前に辛い思いをしている人がいるのに「それは医療の問題ではないのでお力にはなれません」と突っぱねるのもやりにくいことです。結局、辛い思いは共感的に受け止め、ストレスによる反応以外の病気が隠れていないかを確かめ、ご本人に「医者から見るとこういうことですよ」という説明を行います。その上で、ストレスの元になっている人生の問題自体は自分で解決するしかないこと、眠れないなどの症状には対症的に薬を出せるが薬が問題を解決することはないこと、どうしても仕事が出来ない状態なら休職診断書を書いて冷静になるための時間かせぎの手伝いはするが漫然と休むことには協力できない、などを伝えます。こんなことは、本当は本人も分かっているのでしょうが・・・。現代は医者しか頼れないという人が多いように感じます。
 それでも、やはり医者がきちんと診なければいけないケースが存在するのは事実です。一見「人生相談」のような問題の背後に、「病気」が隠れている場合がそれにあたります。例を挙げましょう。40代女性のAさんは、夫に連れられて受診しました。Aさんは「夫が浮気していると思う。確証はないが帰宅が遅くなったり、電話に出ないことがあったりするので怪しい。不安で何回も夫に電話をかけたり、泣いたりわめいたりしてしまう」というのです。ただ、Aさんの訴えは妄想といえるほどではないのです。困り果てた夫が別のクリニックに2軒ほど連れて行ったそうですが、1箇所でははっきりしたことは言われず、もう1箇所では「病気ではない。夫婦関係の問題だから治療できない」と言われたとのことでした。私も当初、「これは病気ではないのでは・・・」と感じたのですが、念のために細かくお話を伺ったところ、以前に軽躁状態(気分が高揚して自信に満ち、睡眠時間が短くても疲れず、活発に行動するが社会的な規範を超えてしまうことはないような状態)があったことが確認できました。そこで双極性障害が疑われることを伝えて、気分安定薬のバルプロ酸という薬を飲んでもらうことにしました。Aさんは病気であるという説明には半信半疑なようでしたが、服薬してくれました。1ヶ月くらいでAさんはかなり落ち着き、「夫の浮気のことも気にならなくなってきた」とこだわらなくなりました。ちなみに、夫が本当は浮気していたかどうか?ですが、それは迷宮入りですね。

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話を聞く医者が良い医者か?

「前の病院では医者が話を聞いてくれなかったから・・・」という理由で当院を受診される患者さんが結構います。そういった患者さんたちが、一方的にすごく喋る人たちかというと、全くそうではありません。どうやら、きちんと問診をしてくれないとか、質問してもはっきりしたことを言ってくれないということが不満だったらしいのです。ひどい所では、初診時にアンケート用紙みたいなものを記入させられて、医師の診察は5分程度。それで「うつですね」と言われて、薬を出される。良くならないと伝えると特に説明はなく「それじゃあ、薬を増やします」と・・・。患者さんたちも、もっと医師に希望を伝えたり、説明を求めたりすれば良いのでしょうが、患者側の立場というのはなかなかそういうことを言いにくいものだとおっしゃいます。
 私は、とにかく話を聞けば良い医者であるとは必ずしも思っていません。例えば、うつ病のときなどは過去に自分が行った「良くなかったこと」を思い出して、クヨクヨ悩むことがあります。しかし、それを延々と話してもらって、それは良かったとか良くなかったとか言っても治療には役に立ちません。うつ病ならまず十分な抗うつ薬と休養です(現代型うつ病は薬や休養では良くならないと言われますが、それはまた別の話です)。この場合、うつ病と診断するために的確に問診、治療方針や薬の副作用・回復の大まかな見込みなどの説明等が、医者がすべき「話」で、それも当然なるべく効率的に行うべきです。さらに、日本の保険診療では、少なくとも1日30人程度は患者さんを診なければ経営的にも成り立ちませんから、時間をかけるにも限界があります。それでも・・・、やはり初診が5分10分では必要なことが聞けない可能性が高いですね。再診は別としても、初診はある程度時間をかけてくれる所が良いでしょう。診断に必要な情報を問診して、治療に必要な情報提供をする、そういう意味で「話を聞く」「話をする」医者が良い医者でしょう。ただおしゃべりを好む医者が良い医者ではありません。

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生活リズムの大切さ

一般の方はメンタルの病気というと、きっと診察でも患者さんの気持ちや自覚的なつらさなどを重視すると想像されるのではないかと思います。確かにそういうことも大切ですが、われわれ医療者が注目するのは、まず睡眠や食事がとれているかということです。うつ病では約90%の患者さんで睡眠障害が認められるなど、多くのメンタル疾患で、「眠れない」という訴えは非常によくみられます。患者さんにとってつらい症状で、治療を求めるきっかけになることが多いものです。食欲が落ちるというのもうつ病などでよくみられます。睡眠・食事という生物として基本的な部分がうまくいかないと、例え他の症状が良くなっていても安心は出来ません。そして、単に眠れるとか食べられるということだけではなく、規則正しいリズム(生活リズム)があるかがさらに重要です。例えば、双極性障害(躁うつ病)では、容易に、このリズムが崩れやすく、逆に、リズムが崩れることが発病や再発の引き金になります。他にも、ストレス反応である適応障害でも、休職してストレス状況から離れても、生活リズムが乱れると回復が遅れる傾向があります。さらに、疾患に関係なく、生活リズムが乱れた状態では、まず休職からの職場復帰はうまくいきません。生活リズムを安定させるためには、①決まった時間に起きること②朝食をとること③午前10時前に明るい光を浴びること④適度な運動をすることなどがポイントです。

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抗精神病薬(1)

 統合失調症という病気をご存知でしょうか?人口の約1%の人が発症するというかなり多い病気です。主な症状は、ありもしない声が聞こえる幻聴や、周囲の人が自分を攻撃するというような被害関係妄想、自分の考えていることが周囲に筒抜けになってしまうという自我障害などです。これらの症状が、周囲の人には理解しがたく、時に不気味に思われてしまうこともあります。他には、不安・抑うつなど感情障害、集中力や処理能力の低下といった認知機能障害も認められます。抗精神病薬は、統合失調症の症状を改善する作用をもった薬です。脳の中のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質を調整することで効果を発揮します。10年位前まで主流だった古いタイプの抗精神病薬には、手が震えるとか筋肉の緊張が強くなりすぎる、よだれが増えるなど副作用があり、患者さんを苦しめ、治療中断につながることがありました。このような副作用を錐体外路症状(EPS)といいます。現在主流となった新しいタイプの抗精神病薬はEPSが少ないという利点があります。また、感情症状や認知機能障害に対しては、古いタイプより新しいタイプの薬が優れていると言われています。さらに、新しいタイプの薬は、患者さんが飲みやすいように、錠剤だけではなく口の中でさっと溶けるタイプ(口腔内崩壊錠)や液体のものなどさまざまな剤形が工夫されています。ただ、やはりどんな薬も万能ではなく、副作用があります。新しいタイプの薬は体重増加や、血糖上昇、脂質代謝異常などを引き起こすことがあり、定期的な採血チェックなどが必要です。また、当然ながら患者さんの治療継続は薬の改善だけで得られることはなく、何と言っても良好な医者-患者関係が最も重要です。


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気分安定薬(2)

 前回は双極性障害の治療薬である気分安定薬について書きました。今回はそれらの副作用についてです。
炭酸リチウム(リーマス)は、通常使用量では眠気やふらつきなどはほとんど生じません。その意味では飲みやすい薬です。比較的良く見られる副作用は、手の振るえと下痢です。手の振るえは激しくはないのですが、時に作業に支障が出る場合があります。薬を減らすことで対応できない場合は、β遮断薬という薬で軽減することが出来ます。下痢は、ほとんどの人では問題になりませんが、まれに薬をかなり減らさないと治まらない方がいます。吐き気も頻度は多くないですが、時に見られる副作用です。美容上問題となる副作用として「にきび」があり、特に女性の場合、服薬拒否につながるため注意が必要です。体重への影響は、増加と減少の両方があるようです。長期的な副作用としては腎機能・甲状腺機能を低下させる場合があります。このため、服用中は定期的な採血が必要になります。しかし、リーマスの最も注意すべき副作用は中毒です。故意に大量に服用しなければまず安全ですが、下痢による脱水や、解熱鎮痛剤・ある種の降圧薬との併用などで、血中濃度が上昇し中毒を起こす可能性があります。運動失調やけいれん、意識障害、心機能抑制など重篤な中毒症状が起こりえますので、服用中の方は、適切な水分摂取(普通の生活なら問題ない)や併用薬に注意が必要です。
 バルプロ酸(デパケン・セレニカ)は、眠気やだるさを訴える方が比較的多いようですが、容量を徐々に上げれば次第に慣れが生じるようです。文献的には胃腸症状が副作用として最も頻度が高いようですが、当院ではあまり経験はありません。20%の方に体重増加が認められるという報告があります。毛髪変化・脱毛が見られることがありますが、多くは軽度で一過性のようです。爪がもろくなるような変化がまれに見られます。炭酸リチウムと違って、中毒をそれほど気にしないで使えるのは利点であり安全な薬と言えます。ただし、極まれですが重篤な副作用として、肝障害、膵炎、造血障害などがあり、やはり、定期的な採血は必要です。
 カルバマゼピン(テグレトール)については、当院ではほとんど使用しないため省略します。

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薬物療法について(1)抗うつ薬

これから何回かに分けて、精神的な不調に用いられる薬について書こうと思います。
今回は抗うつ薬についてです。抗うつ薬は、うつ病に使われるのはもちろんですが、他にもパニック障害、強迫性障害、社交不安障害(社会不安障害から名称が変更されました)などの不安障害にも用いられます。他にも摂食障害の過食衝動に対して使われる場合があります。
 抗うつ薬は、脳内のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の働きを調整することで、うつや不安を改善すると考えられています。現在、最もよく使われるのはSSRIと呼ばれる種類の抗うつ薬です。これはセロトニンに対して選択的に働く薬と言う意味で、何が利点かと言うと、副作用が少なく飲みやすいとされています。SSRIが世に出る前は、抗うつ薬の主役は三環系抗うつ薬と呼ばれるものでした。三環系抗うつ薬は効果が優れているのですが、口が渇いたり、便秘がひどかったり、尿が出にくくなったり、立ちくらみがするなどの副作用があり、時に飲み続けることが難しい点が欠点でした。最近のSSRIやSNRIと呼ばれる抗うつ薬はこうした副作用が軽減されて飲みやすくなっています。ただし、副作用がまったくないわけではありません。SSRIの代表的な副作用は飲み始めの吐き気やむかつき感、食欲低下などです。眠気や、逆に不眠が起こることもあります。回復してからは、体重増加や性機能障害が問題となることがあります。実際の治療の際は、少量の薬から始めて、体に慣らしながら、徐々に薬を増やしていきます。
 抗うつ薬は種類によらず、十分な量を十分な期間続けることが大事です。患者さんの中には、症状が良くなるとすぐに服薬をサボってしまう人がいますが、完全な回復が遅れたり、将来再発のリスクになることが分かっています。
 抗うつ薬の治療で特に気をつけなければならないことは、時に患者さんの衝動性を高めてしまい、自分を傷つける・自殺するなどの危険な行動を引き起こす可能性があることです。特に服用し始め1ヶ月くらいは、注意が必要な時期で、週1回以上の診察が望ましいでしょう。他にもイライラしたり攻撃的になったりする場合があり、特に、20歳台の若い人や、潜在的に双極性障害(躁うつ病)になりやすい素因を持っている人(血縁者に双極性障害の方がいる、元々循環気質、高揚気質であるなど)は注意が必要です。

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認知行動療法(3)

 前回の続きです。
治療に行き詰まりを感じていたとき、Aさんから職場の人が話を聞きたいと言っていると伝えられました。上司と保健師の方が来てくださるということでした。正直、治療が上手く行ってないため、会社の人にどう話せば良いのか不安になりました。しかし、私の気付いてない情報が得られるかもしれないと思いAさん同席でお会いすることにしました。
保健師さんは、Aさんの具合が悪そうなので休ませた方が良いのでは?と心配されていました。そこで、まず、私はこれまでの治療方針を説明し、休むことは解決にならないと考えているが、正直行き詰っていることを話しました。すると、上司の方が意外な反応をしてくれたのです。上司は私の意見に賛成で「何とか休まないで乗り越えた方がAのためになると感じていた。先生が話してくれたAの特徴は私自身気付いていた。ただ、そこから出てくる問題をどう解決するか具体的な対策を十分に立ててこなかった」と言ってくれたのです。解決策はあっけないことでした。Aさんと上司で相談の結果、「仕事が途中の段階でも、上司に相談してみる」ということが出来ない事に対して、「日報でその日の問題を報告する」という手段をとったのです。それだけ?と思われるかもしれませんが、これが予想外に上手く行き、以後Aさんは休むことがなくなりました。徐々に直接相談できることも増えて、3ヵ月後に、日報は週報になりました。
振り返ってみると、上司が問題を共有してくれて、一緒に解決策を考えてくれたことが、Aさんにとって「自分が困っていることを率直に相談することは、必ずしも自分を否定されることにつながらず、解決が得られることが多い」という好ましい認知の修正をもたらしたようです。

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認知行動療法(2)

 

社会不安障害のグループ治療 常時メンバー募集中です

 人前緊張を主症状とした社会不安障害(SAD)に対して、当院ではグループ治療を行っております。SADは潜在的な患者数が人口の10%ぐらいと非常に多い病気ですが、治療を受けずに苦しんでいる方も多いようです。某製薬会社がTVコマーシャルでSADを扱ったときは一時的に患者数が増えましたが、病気ではなく性格と思い込んで受診しない人がまだまだいらっしゃるようです。薬物は確かに効果がありますが、治療にかかる期間が1年以上になることも多く、薬物を中止したときの再発率も50%と高い疾患です。そのため当院ではグループ療法を使って、治療期間の短縮や再発の防止を目指しています。

(1)グループは6人程度の患者さんと2名の治療者の計8名程度で行います。
(2)金曜日の午後6時30分から1時間、月2回のペースで、8回ぐらい行います。
(3)費用は保険の範囲で行います。
(4)グループ療法には向き不向きがあるので、事前に診察して相談の上、メンバーとなるか決定します。ご本人の希望があっても、できない場合はありえます。
(5)グループ療法を行う場合でも薬物療法を併用することはできます。

心療内科・精神科・東京・中央区・東京駅エリア

アクセス 当院(東京の病院・医療機関)は 東京駅、神田、人形町、京橋、銀座、八重洲、丸の内、大手町、有楽町などビジネス街で働く方のメンタルヘルス上の諸問題に関して適切な治療・援助を行うために2006年4月に開業しました。 ◆東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」A8出口より徒歩3分 ◆JR総武線快速「新日本橋駅」1、2出口より徒歩4分 ◆JR中央線・山手線・京浜東北線「神田駅」南口より徒歩7分 とアクセスのしやすい場所にございます。

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