2013.06.19更新

かくれ躁うつ 東京都中央区 心療内科

双極性障害(躁うつ病)の概念が拡大され、今まではうつ病や不安障害と診断されていた方の中にも双極性障害の患者さんが多いことが分かってきました。潜在的には双極性障害なのに、表面的には別の病気に見えてしまうため、きちんと診断されていないケースを俗に「かくれ躁うつ」と呼んだりします。
診断はどんな病気でも、軽症ほど正しい診断が難しいものです。また、診断基準そのものにも問題があって、例えば、過去に(軽)躁状態がない人は、原理的に双極性障害と診断できませんが、双極性障害の患者さんの約6割は躁状態ではなくうつ状態が先行して発症することも分かっています。つまり、今はうつ状態でも後に躁状態を初めて呈するまでは、いかに疑わしくても診断基準に従う限り双極性障害とは診断できないということになってしまうのです。
臨床医がこの問題に注目するのは、単に細かい診断分類の違いにこだわるからではなく、治療薬の選択が全く違ってくるためです。うつ病や不安障害には現在SSRIを中心とした抗うつ薬が第一選択となりますが、「かくれ躁うつ」の患者さんに抗うつ薬を単独で使用すると、気分変動を激しくしてしまったり、自殺のリスクを上げてしまったりする場合さえあるので注意が必要なのです。
「かくれ躁うつ」ではうつ状態がなかなか治らないために、多剤併用になりやすく、それらの薬が病状をさらに複雑なものにしてしまったり、治らないのは本人のパーソナリティのせいと誤解されてしまったりすることがあります。
当院では、「かくれ躁うつ」をいかに正しく初診時に診断するかということに工夫を重ねてきており、5年前には30%を超えていた初診時見逃し率を3%以下まで改善することを達成しています。
東京都中央区の心療内科 日本橋メンタルクリニック

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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