2018.10.31更新

抗不安薬について。抗不安薬は、その名のとおり、不安・緊張を抑える薬です。代表的なものにベンゾジアゼピン系薬物(BZP)があります。その他、作用機序がBZPと異なるものとして、セロトニン1A作動薬のセディール、抗ヒスタミン薬であるアタラックスなどがあります。セディールは効果発現に時間がかかるが副作用が少ないことから軽症・高齢の方に使われるようです。アタラックスは最近の先生方はあまり使わないようです。BZPはパニック障害をはじめとする各種の不安障害や不安症状の強いうつ病の場合などに用いられます。BZPは効果発現が早く、患者さんは服用して効いたという感じが得られやすい薬です。パニック発作のような強い不安感に襲われたときに、薬を飲めば落ち着くということは確かに利点です。また、うつ病の治療では抗うつ薬が主体であることは当然なのですが、一般に抗うつ薬は患者さんが効果を実感できるようになるのに日数がかかるので、初めのうちは、BZPで不安を抑えてあげると患者さんが治療から脱落しにくいと言われています。一方で、BZPの副作用としては、眠気、脱力感・ふらつき、集中力低下などが多いようです。特に、高齢の方は、ふらつきから転倒して骨折などが起こりえますので、投与に注意が必要です。また、集中力の低下から、記憶力低下のような症状を示すことがあり、認知症のような状態を引き起こすことがあります。比較的若い方の場合は、転倒や認知症様症状のリスクはそれほど高くないと思いますが、依存の問題があります。「効果を実感しやすい」という利点には、「依存しやすい」という欠点を伴うのです。BZPの中でも、作用時間の短い(正確には血中半減期が短い)薬物は依存しやすいといわれています。そのため、長期にわたり漫然と使用しないことや、できるだけ頓服として使用することが勧められています。薬が切れてくる頃になると不調になって、どうしても薬をやめられない場合は長時間作用の薬に切り替えてから、徐々に減らすとうまくいくことがあるので、主治医の先生と相談すると良いでしょう。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.26更新

何回かに分けて、精神的な不調に用いられる薬について書こうと思います。

今回は抗うつ薬についてです。抗うつ薬は、うつ病に使われるのはもちろんですが、他にもパニック症(パニック障害)、強迫症(強迫性障害)、社交不安症(社交不安障害)などの不安症(不安障害)にも用いられます。他にも摂食障害の過食衝動に対して使われる場合があります。

 抗うつ薬は、脳内のセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の働きを調整することで、うつや不安を改善すると考えられています。現在、最もよく使われるのはSSRIやSNRIと呼ばれる種類の抗うつ薬です。SSRIはセロトニンに、SNRIはセロトニンとノルアドレナリンに対して選択的に働く薬と言う意味で、何が利点かと言うと、副作用が少なく飲みやすいとされています。SSRI・SNRIが世に出る前は、抗うつ薬の主役は三環系抗うつ薬と呼ばれるものでした。三環系抗うつ薬は効果が優れているのですが、口が渇いたり、便秘がひどかったり、尿が出にくくなったり、立ちくらみがするなどの副作用があり、時に飲み続けることが難しい点が欠点でした。最近のSSRIやSNRIと呼ばれる抗うつ薬はこうした副作用が軽減されて飲みやすくなっています。ただし、副作用がまったくないわけではありません。SSRI・SNRIの代表的な副作用は飲み始めの吐き気やむかつき感、食欲低下などです。眠気や、逆に不眠が起こることもあります。回復してからは、体重増加や性機能障害が問題となることがあります。実際の治療の際は、少量の薬から始めて、体に慣らしながら、徐々に薬を増やしていきます。

 抗うつ薬は種類によらず、十分な量を十分な期間続けることが大事です。患者さんの中には、症状が良くなるとすぐに服薬をサボってしまう人がいますが、完全な回復が遅れたり、将来再発のリスクになることが分かっています。

 抗うつ薬の治療で特に気をつけなければならないことは、時に患者さんの衝動性を高めてしまい、自分を傷つける・自殺するなどの危険な行動を引き起こす可能性があることです。特に服用し始め1ヶ月くらいは、注意が必要な時期で、週1回以上の診察が望ましいでしょう。他にもイライラしたり攻撃的になったりする場合があり、特に、20歳台の若い人や、潜在的に双極性障害(躁うつ病)になりやすい素因を持っている人(血縁者に双極性障害の方がいる、元々循環気質、高揚気質であるなど)は注意が必要です。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.26更新

「前の病院では医者が話を聞いてくれなかったから・・・」という理由で当院を受診される患者さんが結構います。そういった患者さんたちが、一方的にすごく喋る人たちかというと、全くそうではありません。どうやら、きちんと問診をしてくれないとか、質問してもはっきりしたことを言ってくれないということが不満だったらしいのです。ひどい所では、初診時にアンケート用紙みたいなものを記入させられて、医師の診察は5分程度。それで「うつですね」と言われて、薬を出される。良くならないと伝えると特に説明はなく「それじゃあ、薬を増やします」と・・・。患者さんたちも、もっと医師に希望を伝えたり、説明を求めたりすれば良いのでしょうが、患者側の立場というのはなかなかそういうことを言いにくいものだとおっしゃいます。

 私は、とにかく話を聞けば良い医者であるとは必ずしも思っていません。例えば、うつ病のときなどは過去に自分が行った「良くなかったこと」を思い出して、クヨクヨ悩むことがあります。しかし、それを延々と話してもらって、それは良かったとか良くなかったとか言っても治療には役に立ちません。うつ病ならまず十分な抗うつ薬と休養です(現代型うつ病は薬や休養では良くならないと言われますが、それはまた別の話です)。この場合、うつ病と診断するために的確に問診、治療方針や薬の副作用・回復の大まかな見込みなどの説明等が、医者がすべき「話」で、それも当然なるべく効率的に行うべきです。さらに、日本の保険診療では、少なくとも1日30人程度は患者さんを診なければ経営的にも成り立ちませんから、時間をかけるにも限界があります。それでも・・・、やはり初診が5分10分では必要なことが聞けない可能性が高いですね。再診は別としても、初診はある程度時間をかけてくれる所が良いでしょう。診断に必要な情報を問診して、治療に必要な情報提供をする、そういう意味で「話を聞く」「話をする」医者が良い医者でしょう。ただおしゃべりを好む医者が良い医者ではありません。

 

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.25更新

 辛い病気を経験すれば、2度とこんな状態になるのはゴメンだと思うのが人情でしょう。うつ病も辛い病気であることは間違いなく、よく患者さんからも再発への不安の言葉をお聞きします。

 

 現在、うつ病の再発については、どれだけのことが分かっているのでしょうか?

 

まず、知っておくべきこととしては、うつ病は再発回数が多くなればなるほど再発しやすくなるということです。ですから、再発を防ぐことには大きな意味があると言えます。ここで、再発について二つことを区別しておかなければなりません。一つは、うつ病としてのエピソードが完全に終わった後の「真の再発」です。もう一つは、エピソードが終わり切っていない場合の症状のぶり返しで、本来は「再燃」と言われるべきものです。

 

再燃は症状がある程度良くなっているが、脳の中ではまだ本来の状態に回復していないために起こります。このことは、残存症状が少しでも残っていると再燃しやすいことや、維持療法を短期間で止めてしまうと再燃しやすいことから明らかです。最近の脳機能を画像化する研究では、自覚的症状がなくなった後も半年程度は脳の情報処理が正常化しておらず、ある意味「負荷のかかった状態」であることが示されています。再燃を防ぐためには、とにかく残存症状をなくすまで治療の手を抜かないことと、維持療法をしっかりと行うことです。維持療法の期間は初回エピソードなら症状がなくなってから最低半年は必要です。

 

では、真の意味の再発を防ぐ手段は何でしょうか?日常生活習慣とストレスコントロールは役に立つというエビデンスがあります。日常生活では、規則正しい生活リズム、バランスのいい食事、良質な睡眠、酒を控えること、適度な運動習慣が大事でしょう。当たり前と言えば当たり前のことばかりですが。ストレスコントロールとしては認知行動療法や対人関係療法と言った非薬物療法が使えそうです。再発への不安が強い方や、2回目以降のエピソードを経験された方は、積極的にこれらを利用しても良いでしょう。うつ病の症状が辛いときではなく改善した後ならば、市販のテキストを使って自習するだけでも実行可能でプラスだと思います。完全に再発を防げなくても、経過を良くすることはできる可能性もあります。

 

最後に、再発予防という意味からはずれてしまいますが、再発という現象がありうることを知ったうえで、再発兆候があれば速やかに医療機関に受診することがとても大事です。再発が嫌だという気持ちから、受診してそう言われてしまうことが怖くなり、ぎりぎりまで我慢してしまう方が時々いらっしゃいます。治りが悪くなってしまう可能性があるので、これはもったいないです。心配なことがあれば早く受診して、医師と相談してください。再発ではないという場合もあるのですから、早いに越したことはありません。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.24更新

他人のことを「あの人は~な人だから」と決めつけてしまう。これは、人間関係で非常にありがちなことです。そして、ポジティブな内容は別として、ネガティブな決めつけは人間関係を悪化させる大きな要因となります。

 私事ですが、私もかつては「この人、私を軽く見ているな」と相手に対して思うことが多かったです。典型的な決めつけですね。

 するとどうなるか。

その人の言動を、何でも「私を軽く見ている」という文脈で見てしまうようになりました。本当に相手は自分を軽く見ていたのかは分かりません。おそらく、そんな感じで自分に接したこともあったのでしょうが、人間だから、そういう感じは揺れ動くのが普通で、決していつも私を軽く見ていたわけではないと、今はそう思います。

 でも、その時は、そう思えず、相手をとにかく「私を軽く見ている」人と思い込んでいたのです。その人が、時々、私と普通に接してくれても、そういう点は見逃してしまっていたと思います。

 つまり、その人を「私を軽く見ている」と決めつけることによって、そういう情報ばかりに注目し、そうでない情報は見えてない状態に陥っていたと言えるでしょう。

 それで、ますます私の決めつけは強くなるという訳です。

 当然、私は相手を嫌になりますから、私の相手への態度も良くないものになりがちでした。

相手もそれを感じ取り、ますます、関係性は悪化するのがオチでした。

 ひとたび、相手を決めつけてしまうと、同様の結果になることが多いと思います。そして、これは人間関係を悪くする要因として極めてありふれた現象と言えるでしょう。

 結局、相手を決めつけることで、誰も得をする人はいません。自分も嫌な気持ちになるだけです。せいぜい、関係性の悪化を相手のせいにできるだけです。しかし、これも長い目で見れば、自分の人間としての成長を妨げると言えるでしょうから、やはり、何も得することはありませんね。

 どうやって決めつけから自由になるかですが、以下のステップがお勧めです。

①自分の決めつけの傾向を自覚する
②自分の決めつけが出やすい状況を自覚する
③決めつけているという事実を否定せず、ありのままに受け止める
④相手には何かしら(自分が知りえない)事情があるに違いない、と考えるクセをつける
⑤あえて、決めつけの例外を探す意識を持つ

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.22更新

気分が落ち込んで、気力が低下し、興味や関心がいつもほど湧かなくなる。

このような状態を「うつ状態」と言います。うつ状態は良く見られる病状ですが、必ずしもうつ病によるものとは限りません。

適応障害というストレス反応でも、うつ病と紛らわしいうつ状態を呈することはよくあります。

また、双極性障害と言って、気分や活動性が上下する疾患でも、気分が下方向に振れた時はうつ状態を呈します。

その他、社交不安症、強迫症、パニック症などでも、様々な理由でうつ状態に陥ることがあります。

メンタル不調の診断は、問診が頼りな訳ですが、やはり問診だけでは鑑別が難しい場合があります。

特に、近年、稀だと考えられてきた双極性障害が、実はかなり多いことが分かってきて、うつ病との鑑別が問題になること増えています。

うつ病と双極性障害では、治療に使う薬が異なるため、きちんと鑑別しないと治療上支障があるのです。

当院では、丁寧に問診して診断することを第一としていますが、鑑別が難しい方には光トポグラフィー検査を受けることをお勧めしています。

光トポグラフィーはうつ状態の原因について、ある程度(7割程度の正確さと言われています)の客観的な情報を与えてくれます。

光トポグラフィー検査は数年前から保険診療で行えるようになっています。

ただ、ちょっと高価な機械なため、当院では所有できず、検査をやってくださる他の医療機関に依頼して測定してもらっています。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.19更新

強迫性障害は、繰り返し心に浮かんでくる強迫観念によって引き起こされる不安感を軽減するための強迫行為を止められなくなる病気です。良くあるのが、強迫的確認と強迫的洗浄です。確認は鍵や電気・水道・ガス・火の元などが気になって、何度も確かめてしまうもの。洗浄は汚れているのではないかという感覚が取れずに何度も洗ってしまうものです。

強迫性障害の治療はSSRIを主体とした薬物療法と曝露反応妨害法という行動療法です。

行動療法は、強迫観念が起こるような状況を避けずに、引き起こされる不安感に直面して、強迫行為を行わないということをやります。

しかし、なかなか止められない強迫行為をやらないということは当然いろいろな工夫をしなければ成功しません。

工夫1.病気について徹底的に理解する

強迫性障害は自分の記憶や判断そのものがおかしくなってしまう訳ではなく、記憶や判断に自信が持てなくなっている状態です。強迫行為をするということは、自分を信じなかったということになり、ますます強迫観念がエスカレートしてしまいます。そういう病気の構造をまずは良く知ることが大事です。

 

工夫2.強迫行為をしないことを「我慢する」という捉え方ではなく「病気の脅しに応じない」と捉える

 人間は一般的に我慢が嫌いです。長続きしません。一方で、人間は強制されることが嫌いです。脅されて強制されるなんて好きな人はいません。そもそも、強迫行為というのは「病気に脅かされて渋々とやっているもの」であり、本来やりたいことではないはずです。それがいつの間にか「自分の意志でやっている」かのように錯覚させられてしまうのです。

 

工夫3.最初の課題は「何とかできそうなもの」をうまく選ぶ

 最初に成功体験を持つことは何かを身につける上で非常に重要です。

 

工夫4.スッキリ感や安心感を「直接」求めない

強迫観念によって引き起こされた不安やもやもやした気持ちを「即効的に」解消しようという誘惑から強迫行為をさせられてしまうという病気の構造をしっかり理解しましょう。スッキリ感を求めることは病気の罠です。スッキリしないまま次の行動に移りましょう。時間がたてばもやもやした気持ちや不安は必ず落ち着いてきます。

 

工夫5.病気と取引しない

 例えば、確認強迫で「後でまとめて確認するから」と自分を「納得させて」、目先の強迫的確認を逃れるというテクニック(?)を使う人がいます。病気をよく理解できていれば、これがなぜいけないか分かりますね。これは形を変えた強迫行為ということです。しかも、本人がその自覚を持てず、頑張って強迫行為をしていないと思ってしまうのでたちが悪いのです。一生懸命、行動療法を頑張っているのに成果が感じられないという人はこの点を見直してみると新たな展開があるかもしれません。

 

工夫6.病気はしつこいので、病気よりもしつこくなる

 強迫性障害という病気は本当にしつこい病気だと思います。乗り越えたと思っても、繰り返し病気の罠に落ちてしまうようなところがあります。いっそ、病気はとてもしつこいのだと割り切ってしまいましょう。そうすれば、行動療法で何度か失敗しても「病気はしつこいのだ。簡単には治せなくて当然だ」と、そんなに気にしないで「しつこく」やり直せるのではないでしょうか。私の患者さんで良くなった人たちは皆「しつこく」行動療法をやり続けた方ばかりです。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.17更新

「森田療法」という治療法があります。それが教えてくれることのポイントをこんな風にまとめることができます。これらをいつも心がけていると、余計な苦しみが減るように思います。認知療法や論理療法ともつながりを感じさせてくれますね。

 ・3つの出来ないこと
①自分の感情を完全にコントロールすること
②現実を思い通りにすること
③他の人の気持ちを思い通りにすること

・3つの出来ること
①自分の限界を知ること
②不快な感情を受け入れること
③目の前の現実の中でやるべきことをすること

 

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.10更新

もしもあなたの病気が、痛み、しびれ、熱感、冷汗、めまい、などの自覚症状(主観的感覚)が症状の主体で、検査で確認できる他覚所見がないか、あっても自覚症状を説明できるほどのものではないと医師に言われたら、その病気についての捉え方を変える必要があるかも知れません。

 現在の医学-身体医学-は、主観的感覚がメインの疾患に関しては限界があるのです。あなたが、それらの異常で苦しい症状の「身体的」原因を解明し根本的治療を受けたいと望むのは、患者さんの気持ちとしては当然ですが、非現実的で結局は成功しません。近い将来、このような疾患の完全な治療が確立されるという見込みもありません。

 では、医学はあなたに何も提供できないのでしょうか?

答えはNOです。実は、あなたの病気にも、ちゃんと治療法があって、改善している人たちもたくさんいるのです。上述したことと矛盾するようですが混乱しないでください。

 あなたの病気は身体表現性障害といいます。

原因は不明ですが、脳内のセロトニン・ノルアドレナリン神経系の機能障害と関連しているらしいことは分かっています。不調を感じている部分の障害がメインではなく、それを感じる中枢神経の機能障害と考えた方が近いのです。体の出す信号に敏感と言い換えてもいいでしょう。ただし、「気のせい」「精神的なもの」というあいまいなものではありません。れっきとした病気で、外来患者の20%を占めるという統計があります。あなたが考えてきた病気とはちがうかもしれませんが・・・。治療は、あなたの身体、心理、行動、環境のすべてを考慮した専門的治療が必要です。残念ながら、症状を完全に取りさることは不可能です。しかし、症状が維持されるメカニズムとそれを打ち崩す方法は分かってきています。症状を消すのではなく、生活に支障がないレベルまで抑えることを目標とすれば充分に回復の見込みはあるのです。

 まず大きな問題は、あなたがそういう「一見、見栄えのしない」治療を受け入れられるかということです。患者さんの中には、「自分の病気が治らないのは、医者が正しく理解してないせいだ。検査で何か見落としがあるに違いない。きっとどこかに正しく診断してくれる医者がいて、ちゃんと治してくれるはずだ。」という考えが変えられず、不幸な転帰を辿る方もおられます。そういう方たちは、無益な検査や処置を繰り返し、医療に不信感を持ちながらも依存せざるを得ず、医療者側からも「やっかいな患者」扱いにされます。初めは共感してくれていた人々も次第にそれらの憂鬱な患者さんたちから遠ざかり、患者さんは孤独になります。残念ですが、ここまで行くと、回復は非常に困難になってしまいます。われわれは、あなたがそうならないうちに「本当の治療」を始められることを望みます。

 それでは「本当の治療」はどんなものなのでしょうか?

この治療では、患者さんは受動的に治療を与えてもらうのではなく主体的にいろいろなことをやらねばなりません。まず、原因の詮索をやめることが要求されます。次に、あなたが自分の症状をどのように考えて、それによってどんな気持ちや行動が引き起こされているかを理解しなければなりません。これは、専門的な記録法をあなたに実行してもらうことで可能になります。この過程で、ストレスがあなたの症状に影響を与えていることも明らかになるのが普通です。このことは病気の原因がストレスだと決めつけることとは全然違うので注意してください。同時に、症状中心だった生活を立て直していくことが本質的に必要です。症状が残っていても、辛くても、やるべきことを実行することが要求されます。ここが、この治療の最大の難関かもしれません。でも、悲観的になる必要はありません。無理のない方法で徐々に始めれば成功の可能性は高くなります。具体的なやり方は診察時に医師と相談して決められます。このように、治療を進めれば、あなたの症状は完全にはなくならないとしても、改善するのが普通です。そのとき、病気中心だったあなたの生活もいきいきと充実したものになっているはずです。

 薬物は効果がないのでしょうか?

上述したように、脳内のセロトニン・ノルアドレナリン神経系の機能障害と関連していることが示唆されており、ある種の抗うつ薬を使用すると治療全体を進める上で助けとなることがあります。

 治療はどこで受けられるのでしょうか?

どの科の医師でも、経験と技術のある先生なら問題ありませんが、一般的には認知行動療法に精通している精神科医・心理士がベストでしょう。まず、今かかっている医師に相談してみるといいでしょう。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

2018.10.03更新

自分を縛る思い込み

 

・苦しい時は、自分の思い込みで自分自身を苦しめてないか点検する。

・「~でなければならない」「~しなければならない」という考えに支配されていないか?

・思い込みを修正するには、まず、自分の思い込みを書き出して、明確にしてみること。

 

例えば、

・「いつも人に勝ってなければならない」「いつも人の役に立たねばならない」などの思い込みがあると・・・

 

→いまは周りの人より出来ないことがあるし、貢献できてない。

→自分はダメだ・・・。

 

そうやって、自分の首を絞めてしまう訳です。

 

これを、健全な思いに修正するとどうか?

 

健全な思いは、「~でなければならない」ではなく「~したい」という形です。

・「いつも誠実に努力して成長したい」「できるだけ他者に貢献したい」。

 

→新しい仕事を覚えることに誠実に取り組める。

→今の自分と周囲を不必要に比べたりしない。

→今後、仕事を覚えて周りに貢献したいという意欲を維持できる。

投稿者: 日本橋メンタルクリニック

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